奈良市水門町にある写真家・入江泰吉先生の自宅に1965(昭和40)年頃から友人、親戚、弟子などがたびたび集い、親睦会、旅行、出版祝賀会、写真研究会などのさまざまな会を催してきました。いつしかこの会を地名にちなんで「水門会」と呼ぶようになりました。 「水門会」の催しのうち、写真研究会が発展して、1977(昭和52)年に写真の弟子たちと共に第1回の「水門会写真展」を大阪・梅田キヤノンサロンで開催し、その後は「入江泰吉と水門会写真展」として毎年、または隔年に同写真展を開催してきました。 会員は入江泰吉先生の弟子または孫弟子で、プロ写真家の公益社団法人・日本写真家協会(JPS)会員を中心に、入江泰吉先生に指導を受けたアマチュア写真家も参加し、生涯大和を愛し、視つめ続けて多数の作品を発表された入江泰吉先生の写真精神を受け継いで活動しています。また今までの水門会の活動に貢献した主な物故会員には、入江泰吉先生、井上博道君、小原直久君、木本義一君、樽井眞邦君、出合明君、橋本好祐君、村上好廣君、森本康則君、矢野建彦君、山田隆造君、吉田二郎君らがいます。 写真展会場は、キヤノンサロン、梅田阪神百貨店、富士フォトサロン、ミノルタフォトスペース、奈良市写真美術館、大阪府立近つ飛鳥博物館、万葉文化館、奈良市美術館などで、写真専門ギャラリーに限らず、幅広い会場で写真展を開催しています。 特に1988(昭和63)年に「なら・シルクロード博覧会」へ参加し、南都隣山会(奈良の六大寺で構成する会)僧侶の方々の賛助出品を得て、東大寺の会場でヨーロッパから奈良へのシルクロード写真が総数282点という膨大な作品数の特別展を開催し好評を得ました。 近年では2004(平成16)年12月に奈良市美術館で「第15回水門会写真展」を開催、奈良市美術館始まって以来の多数入場者数でこれも好評を得ました。 最近では2019(令和元年)年の「第22回入江泰吉と水門会写真展」を同美術館で開催しました。 2020年9月現在
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