万葉の生駒山
万葉集・巻15-3590に 「妹に逢はず あらばすべなみ 岩根踏む 生駒の山を 越えてぞ我が来る」 巻10-2201に 「妹がりと 馬に鞍置きて 生駒山 うち越え来れば 黄葉散りつつ」 奈良の都と難波(大阪)を隔ててそびえ立つ生駒山は古の人々の往来には大きな障害でした。
しかしそのような山であっても、巻12-3032には 「君があたり 見つつも居らむ 生駒山 雲なたなびき 雨は降るとも」 巻20-4380には 「難波津を 漕ぎ出て見れば 神さぶる 生駒高嶺に 雲ぞたなびく」 と生駒山の情景を詠んでいます。 いま山上に送信鉄塔が建っていても古と変わらない情緒を見せる生駒山。 写真は大阪から望む生駒山の四季です。
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